空き家の管理で困ってる人が増えています。「遠方にあるので管理が大変」「維持費が高い」「そもそも、管理方法が分からない」など、状況はさまざまですが、ひとつ確かなことがあります。それは、空き家の管理を怠ると所有者が確実に大きな損害を被るということです。損をする理由は大きく分けて3つです。それでは順を追って説明してまいりましょう。
1. 家の劣化スピードは想像以上 ─ 不動産価値の暴落
家は、人が住まなくなると、すごい早さで傷みが進みます。木造住宅なら尚更です。日本は気候変化が大きな土地なので、建物とその室内環境への影響はとても大きいです。半年から一年位でも、人の出入りやメンテナンスがないと湿度、温度、生き物などが原因で、家の内部からボロボロになります。劣化にいたるまでの具体的な例を挙げてみましょう。
- 換気をしないと湿気とカビで室内がかなり傷みます。雨戸も締め切ったままで日光を室内にいれないと細菌等も繁殖して傷みがさらに進みます。
- 害虫・害獣による被害が全国で問題になっています。横浜市内でも、ハクビシンによる被害が増えています。
- 給排水設備を利用しないと、熱膨張などで建材そのものが劣化・腐食が早まります。さらに、排水設備のトラップから水が蒸発して外部からからの悪臭や虫の侵入も防げなくなります。
- 敷地内の草木の成長は景観を悪化させるだけでなく、家の隙間へ入り込めば家を傷めます。
- 台風による雨漏りや破損、地震による被害など、それに気付く人間がいなければ建物や外構へのダメージが広がります。
- 第三者の侵入により荒らされる可能性があります。窓や外壁の破損、不法投棄、放火の心配も。
- 空き家火災の原因で最も多いのは「放火」です。その他、配線をかじるネズミ、ガス漏れなど。
上に並べたようなことが原因で、想像よりも早い段階で壁・屋根に穴が開いて崩れます。こうなるともう、まともに売却どころか貸すことも出来なくなります。建物の評価額が急落し、土地も含めた活用機会を失うことになるでしょう。
さらに、近隣からの通報がなどあれば「特定空き家」の指定も免れなくなり、残された選択肢は「解体」だけです。譲り受けた家が、資産どころか負債になってしまいます。
売却は相続から3年以内。節税対策も五條建設で
もし将来的に不動産の売却または賃貸活用を検討されているのでしたら、家の価値を下げる前に早急な対応と決断が必要です。
あと節税対策のために、不動産を相続してから3年以内の売却を検討すべきです。3年以内なら譲渡所得税が安くなる特例(取得費加算の特例)を受けることができるからです。大切な家が負債になる前に、早めの調査と行動が重要です。売却・賃貸活用をご検討の際は、五條建設にご相談ください。お力になります。
2. 近隣への被害リスク ─ 損害賠償請求へ発展
空き家を放置したことによるトラブルが全国で発生しています。景観悪化・不法投棄・建物崩壊・火災など、近隣へ及ぼす影響はとても大きいです。そして、空き家が招いた近隣への被害は、損害賠償という形で、空き家の所有者に重くのしかかってくることもあります。
倒壊におびえる近隣住人
脆くなった空き家の壁・屋根・窓ガラスが台風で飛散したり、庭木の倒木で近隣住宅を破損した事例をよく耳にします。空き家が1軒まるごと倒壊して隣家を巻き込み、損害賠償まで発展したこともあります。状況によっては警察が出てくることさえあります。被害者を受けた側も必死です。空き家の所有者が逃げ腰なのを感じとり、確実に修繕してもらうために器物損壊罪で事件にすることで警察に記録を残してもらうのです。
「NPO法人 空家・空地管理センター」が損害金額を試算しており、それによれば物件損害でも数百万円、人身損害ともなれば数千万円から数億円と非常に高額になることを想定しています。
空き家火災から近隣へ延焼
近年、空き家から発生する火災が増加して全国で問題になっています。放火、配線をかじるネズミ、ガス漏れなど原因はまちまちですが、どれも「管理不全」が招いたものばかりです。管理不全、つまり空き家の維持や管理が適切に行われていないことが、多くの「空き家火災」を招いているのです。前述しましたが、空き家火災の出火原因で最も多いのが放火です(放火と予想される件も含む)。誰も住んでいない住宅は人目につきにくいため、狙われやすくなるのでしょう。そして、管理不全が下記のような状態をつくり、放火を助長しています。
- 明かりが灯らず住人の気配がない。
- 雨戸やカーテンがなくなり、周囲から家のようすを容易に伺える。
- 門扉がなかったり常に開いていたりする。
- ドアや窓の施錠がされていない。
- 新聞紙や雑誌、灯油容器などの燃えやすいものを置いている。
- 不法投棄のゴミが空き家の目印になります。そのゴミに放火されることもありえます。
上記のような空き家は、誰でも侵入しやすく出火元として犯人に狙われやすいです。消防統計によると、放火の場所は建物の周りよりも室内の方が多いとのことです。また、空き家火災の原因で、放火以外には次のようなものがあります。
- タバコのポイ捨て。
- ガス漏れなどによる爆発。
- 配線機器のトラブル。ネズミが住みつき、配線をかじって火事になることもあります。
所有者の重過失
空き家の持ち主は、空き家に対して管理責任があります。空き家の管理不全が原因で発生した「隣家を巻き込んだ倒壊」「空き家が出火元の近隣への延焼」など、持ち主の落ち度が明らかな場合、その持ち主の「重過失」が問われる可能性は十分あります。重過失は、重大な過失の有無によって責任が変わります。その過失が大きければ、莫大な損害賠償を請求されることになるでしょう。
たとえ法的責任は問われなかったとしても、道義的な責任はまた別問題です。それが犯罪者による放火だったとしても出火元が空き家であれば、被害に遭った近隣へのお詫びや社会的信用のダメージを負うことになります。近隣との良好な関係を保つことも困難になることさえあります。
空き家に「火災保険」 ─ 五條建設がお手伝いします
条件付きですが、空き家に掛ける「火災保険」があります。人命にも関わることなので、取り返しのつかないことになる前に、管理会社も含めて検討してみてはいかがでしょうか。もしご検討でしたら五條建設がお手伝いいたしますので、ご用命ください。
3. 空き家対策法 ─ 過料・増税・行政代執行の請求
2015年5月に施行された「空き家対策特別措置法(※)」により、放置空き家に対する行政の目は一層厳しいものになりました。近隣住人の通報から行政調査を経て、その調査結果によっては「特定空家」に指定されます。その後の行政指導に従わないと、勧告とともに、土地の固定資産税が3~6倍になります。この勧告にも従わないと行政命令。この命令にも違反すると50万円以下の行政罰(過料)を科せられます。それでも従わない場合、最終手段として、強制撤去等の「行政代執行」が発動し、それにかかる数百万円もの費用は空き家所有者へ請求されることになります。国の本気度、そして空き家の社会問題の大きさを伺い知れます。「空き家対策法」の詳細は、また別記事でご紹介します。
空き家対策法による金銭的負担
- 土地の固定資産税が3~6倍
- 命令違反で50万円以下の過料
- 行政代執行で数百万円を請求(空き家の強制撤去等にかかった費用の請求)
空き家で困ったら、五條建設にご相談ください。
節税対策、火災保険や管理会社のご検討。
空き家の放置による損害賠償トラブルを事前に避けるためにも、空き家管理サービスなどを活用し、空き家を適切に管理していくことが大切です。損害賠償ともなれば最悪は億単位なので管理費の比ではございません。空き家に掛ける「火災保険」なども含めて、五條建設にご相談いただければと思います。